わきがの治療や予防は、数年前に比べるとさまざまな方法があります。
そこで今回はわきがの特徴や治療法、手術費用などについて紹介したいと思います。
『自分がわきがなのでは?』と悩んでおられる方に少しでも参考になれば幸いです。
わきがの臭いの特徴は?
「わきが」と一言で言い表してもその臭いにはいくつかの特徴があります。
実際の臭いの例をあげると、大きく分けて以下の7つの臭いで表すことができます。
・ミルク様臭、ベース臭
・酸臭
・カレースパイス様臭
・カビ臭
・蒸し肉様臭
・生乾き臭、水っぽい
・鉄臭
上記の7つの中で、日本人男性の約8割に当たるのが「ミルク様臭、ベース臭」です。
二番目に多いのが「酸臭」で、その次が「カレースパイス様臭」という順番となっています。
わきがのセルフチェック
「自分はわきがなのでは!?」と不安に思われている方も多いではないでしょうか。
特に汗をたくさんかく夏などはわきがを心配してしまいがちですよね。
そこでオススメなのがわきがのセルフチェックです。
9つのチェック項目がありますので、自分にいくつ該当するか確かめてみてください。
1.耳垢が湿っている
わきがと耳垢はとても深い関係があります。
アポクリン汗腺はワキの下や、耳穴、乳輪、外陰部などの特定された部位に存在する汗腺になります。
耳垢が湿っている場合は、耳穴にあるアポクリン汗腺が活発に働いていることを表すことになりますので、わきがの可能性がかなり高いと思われます。
2.洋服の脇の下の部分が黄ばむ
汗をかいて服に汗染みが着く経験をされたことがあると思います。
大体の汗染みは選択するとシミも綺麗に落ちますが、選択したのにも関わらず黄ばみが消えないという方はわきがの可能性があります。
洋服が黄ばんでしまう原因は、アポクリン汗腺から分泌される脂肪やタンパク質、鉄分、色素が原因でアポクリン汗腺の働きを強いことを表します。
3.ワキ毛が多い
アポクリン汗腺は毛根部分にあります。
ワキ毛が多いということは必然的にアポクリン汗腺の数も多いということになりますので、わきがの可能性が高くなります。
毛根に汗や皮脂などの分泌物が付着し、細菌を繁殖させてしまうため臭いが強くなってしまう原因にもなります。
4.顔がいつもテカり気味
皮脂腺が活発に働いている方は、いつも顔テカり気味という傾向があります。
皮脂腺が活発に働いているということは、同時にアポクリン汗腺の働きも活発ということになります。
5.両親のどちらかがわきがだ
家族の中にわきがの人がいる場合は、「優性遺伝」によってわきがの可能性が高くなります。
この「優先遺伝」とは受け継がれやすい遺伝で、体質などのアポクリン汗腺などの数も受け継がれる可能性が高くなります。
実験データによると、片親がわきがの場合は約50%、両親がわきがの場合は約75%の割合で遺伝するともいわれています。
6.ワキ汗が多い
わきには強いに臭いを放つ汗腺が多くあります。
わき汗が多いということは、必然的にこの汗腺からの汗が多く出ているということにもなりますので、わきがの可能性が高くなってしまいます。
わき汗は放っておくと細菌が繁殖し強い臭いを発しやすくなりますので、清潔にすることが大切です。
7.肉や乳製品を食べることが多い
肉や乳製品といった脂っこい食事が多い方は、自然と汗の臭いが強くなってしまいます。
アポクリン汗腺からの分泌物に臭いの元となる死亡成分が加わってしまうことが原因となります。
食生活は体質改善にもなり、わきがの予防にもとても重要な要素です。
8.寒い時期でも汗をかく
わきがの原因は汗腺から出る汗が原因です。
人間は体温調節などのために汗をかきますが、寒い時期でも汗をかくということは必然的にわきがや多汗症の可能性もあります。
9.ストレスが多い
人は緊張やストレスがかかってしまった際にも汗をかきます。
このとき出る汗はアポクリン汗腺からの汗で、ストレスや緊張が長く続くといつも汗が分泌され続ける状態になります。
そのことが原因で細菌を繁殖させてしまい、臭いも強くなる可能性があります。
以上のチェック項目に該当する数が多いほどワキガの可能性が高いと言えるでしょう。
わきがの原因は?
『そもそもなぜわきがになるのか?』という点が一番気になるところですね。
その原因は私たちの体からです汗の種類によって決まります。
人間は運動などをしている際はもちろんですが、そうでないときも微量ながら汗をかいています。
そして汗を発するのは「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2つの汗腺になります。
それぞれの汗腺の特徴は以下の通りです。
エクリン汗腺
エクリン汗腺は主に体温調節をするために発散するための汗腺になります。
この汗腺は皮膚表面にあり、体温が上昇すれば身体の熱を放出するための働きをします。
さらに、皮膚が乾燥しないように常に微量の汗も発しています。
運動した際にかく汗はこのエクリン汗腺からのもので、水分と塩分、ミネラルなどで形成されているため臭いの元となる成分はほとんど含まれていません。
しかし、エクリン汗腺から出た汗でも放っておくと、細菌が繁殖して嫌な臭いを発することになりますので、しっかりとケアすることが大切です。
アポクリン汗腺
わきがなどの嫌な臭いの原因はこのアポクリン汗腺から発した汗が原因となります。
アポクリン汗腺は腋や乳首、陰部といった特定の部位の毛包内にのみ存在し、この汗腺から出る汗には、タンパク質や糖分、鉄分、アンモニア、脂性物質などさまざまな成分が含まれています。
わきがなどのきつい臭いの元となっているのがアポクリン汗腺からの汗で、この汗腺の数が多いことが原因で臭いを発するというわけです。
さらに、緊張した場面やストレスなどを感じているとアポクリン汗腺が活発に働くようになるので、そういった場面は注意が必要です。
アポクリン汗腺が多い場合は日頃のケアが不可欠ですが、場合によっては病院などでの対応が必要です。
わきがの治療法は?
原因となるのはアポクリン汗腺からの汗が深く関係し、その働きを抑える必要があります。
治療としては薬や注射などの治療のほか、最終的には手術などの治療方法があります。
内服薬や注射による治療
市販薬やわきが専門薬を試してもあまり効果が見られない場合は、医療機関などで診断・治療する方法があります。
専門家に見てもらうことで自分にあった治療方法を提案してくれるほか、自分に一番合った治療を受けることもできます。
内服薬(臭化プロバンテリン)
内服薬での治療は抗コリン剤である臭化プロバンテリンで汗の量をコントロールする方法です。
汗を出す時に使われる伝達物質のアセチルコリンの分泌を抑える効果があり、臭いの発生を抑えることができます。
湿布(塩化アルミニウム液)
塩化アルミニウムには発汗を抑える効果があります。
これを外用薬として湿布することで汗を抑えることができます。
ボトックス注射
ボトックス注射は、美容整形でよく使われるボトックス注射をわきがに使う方法です。
注射することでアポクリン汗腺を麻痺させ、汗と臭いを抑える効果からわきがを予防してます。
わきが手術の治療方法と費用について
わきがの臭いをなくす方法は、汗腺自体を切除する手術が一番効果的となっています。
わきがの手術には以下の方法があります。
剪除法(せんじょ)
日本で最もスタンダードな手術方法となっているのがこの「剪除法」です。
こちらは、わきを切開し皮膚を裏返して汗腺を一つ一つ確認しながら除去する方法となります。
実際に目で見て切除を行うことから高い確率でわきがを解消することができ、保険適応の手術にもなります。
一方で、わきに傷跡が残ってしまうのが難点と言えるでしょう。
※保険適用(3割負担)
施術時間:1時間半~2時間
傷跡:脇筋に約4cm
クワドラカット法
「クワドラカット法」は、わきの下を小さく切開し、シェイバーと吸引管がついた機械を挿入して先端のシェイバーで汗腺を除去しながら吸引する術法になります。
剪除法よりも傷跡は小さく済むことから、術後の治りが早いメリットがあります。
こちらは保険適用外となりますので、治療が高額になってしまいます。
さらに汗腺除去が不確実なために再発多い難点もあります。
施術時間:約1時間
傷跡:脇横に約1cm
ミラノドライ
「切らない治療」として近年新しい治療法として注目されているのが「ミラノドライ」です。
こちらは電子レンジなどに用いられているマイクロウエーブを活用して、汗腺にダメージを与え汗腺の働きを抑える方法になります。
アポクリン汗腺・エクリン汗腺のどちらにも効果を発揮することからワキガはもちろん、多汗症の方にも効果を発揮します。
皮膚を切開することもないので、傷跡や治療後のダウンタイム(傷跡が元に戻るまでの期間)がほぼ無いところも注目されています。
施術時間:約30分〜1時間
傷跡:なし
わきがのを抑える方法
臭いの原因となるのはアポクリン汗腺からの汗になりますので、その汗腺からの汗を抑えることが最適です。
さらにわきがの臭いを完全に消し去る方法としては、アポクリン汗腺を除去する手術が一番効果的な方法となります。
一番効果的な方法ですが、やはり他の治療方法からすると格段に費用がかかってしまいます。
さらに手術をしたからといってもわきがが完治する保証もなく、最悪な場合再発する可能性もあります。
そこで、まずは市販薬やネットなどで販売されているワキガの専門薬を試してみることをオススメします。
市販薬や専門薬を使用しても改善されなかった場合の最終手段として「手術」という方法を取ることもできますのでぜひ参考にされてみてください。
初期症状にオススメな市販薬
デオナチュレ ソフトストーンW<医薬部外品>
わきの臭いに悩んでいるならまず使って欲しい商品がデオナチュレ さらさらクリームです。
スティックタイプの商品となっているので、どこでもさっと濡れベタつかない爽やかな塗り心地になります。
一番のオススメポイントはピカイチの消臭力と持続力。
コストパフォーマンスも抜群で、お風呂上がりに一塗りしておけば丸一日わきを臭いを気にしないで済むのも嬉しい点です。
白くならない有効成分も配合されおり、安心して使用することができます。
わきがの専門薬
わきがの臭いを抑える場合、わきがの専門薬を使用することが一番の方法となります。
ワキガの専門薬はアポクリン汗腺から出る汗に対して効果があるように作られていますので、こちらを使用されることをオススメします。
薬用ネオテクト
薬用ネオテクトは厚生労働省認定の医薬部外品にも認定されており、体臭に悩んでいる多くの人から支持をされているデオドラントクリームです。
わきの臭いに効く消臭効果だけでなく、汗が出るのを防ぐ制汗効果も発揮します。
殺菌実験では、「黄色ブドウ球菌」と「コリネバクテリウム」を6時間に99.999%殺菌したというデータがあります。
多くのデオドランドは香料などで一時的に消臭や臭いをごまかすことも多くあります。
薬用ネオテクトは臭いの原因菌を分解するので、一時的な消臭や香料での臭いをごまかさず臭いの元を分解することが可能となっています。
以下のような肌や身体に良くない「酸化防止剤」や「紫外線吸収剤」、「石油系界面活性剤」などの成分は一切使用されていないので安心してお使い頂けます。
・ワキガで悩んでおり、スプレーやロールオンタイプでは改善されなかった
・足の汗や脇の汗、臭いで悩んでいる
・脇や首筋の黄色い汗じみで悩んでいる
・今のデオドラントクリームでは体臭が治らなかった
・1日に何度もスプレーなどのデオドラント対策ができない
などの方は、ぜひ一度わきが専門薬を試されてみることをオススメします。
わきがの予防方法は?
わきが臭ってしまうのは主に汗が原因とされていますが、人間は全く汗をかかずには要られません。
遺伝などで完全に臭いを抑えることができない場合もありますが、対策によってある程度臭いを抑えることができます。
以下の4つを気をつけるだけでも臭いの程度を抑えることができますので、ぜひ参考にされてください。
食生活の改善
日々の食事で気をつけていただきたいのが、高カロリーや高脂肪食の食品の食べ過ぎです。
この二つはわきがの原因になる可能性があり、お肉や牛乳、バターなどの乳脂肪分が豊富に含まれている食品を指します。
最近では筋肉を作るためのたんぱく質の必要性もうたわれています。
同じたんぱく質でも肉などの動物性食品、植物性食品の植物性たんぱく質たんぱく質がありますが、大豆や魚などの植物性たんぱく質を摂取するようにしましょう。
飲酒や喫煙を控える
アルコールやニコチンには、汗腺を刺激する作用があるので注意が必要です。
さらにニコチン自体が臭いの成分がありますので、ワキガ体質でなくても体質がきつくなってしまいます。
ストレスを溜めない
ストレスもわきがと深い関係になります。
人間は昼間生活しているときは交感神経が優位になり、体を休めるときは副交感神経が優位になります。
身体にストレスがかかると交感神経が優位に働きようになり、暑くもないのに汗(冷や汗)をかく精神性発汗が起こってしまいます。
精神性発汗は臭いを抑える上での大敵にもなりますので、できる限りストレスを溜めないように心がけましょう。
運動する習慣をつける
運動などでかく汗は、エクリン汗腺から分泌される汗となります。
この汗腺からの汗は無臭な上に、身体に溜まっている老廃物の排出を促すこともできます。
わきがを気にされている方はどうしても汗をかきたくないと思われがちですが、運動で汗をかくことはとても重要なことです。
運動はストレス発散にもなるので、とても効果的な方法です。
ただし、運動して発汗すると、一時的にワキガ臭が強くなることがありますので、患部をしっかりと洗うことも欠かさないようしてください。
まとめ
今回はわきがの臭いの特徴や手術費用、予防法などについて紹介させていただきました。
数年前に比べてわきがの治療や対策はさまざまな方法があり、手術などによって完治することもできるようになっています。
完治させる方法としては現時点で手術が一番となっていますが、市販薬や専門薬など自分にあった治療や予防試していただけたらと思います。
少しでも参考にしていただければ幸いです。